子会社の設立に関する基礎知識!運用のポイント・メリット・注意点について

子会社を設立する際のスケジュールからご相談を!
子会社とは一般的に、議決権のある株式の半分以上を他社(親会社)に保有され、経営に関しても支配下にある会社のことです。会社の規模が大きくなってくると、子会社の設立を検討するケースが多く見られます。設立の目的は、節税対策や事業の分散化など様々です。子会社を設立するにあたって、定款の作成・認証や設立登記の申請など、通常の会社設立と同様に法人化するための手続き方法は多く時間がかかるため、スケジュールを決めて進めていくようにしましょう。
今回は、子会社の概要や子会社を設立する際のメリット・デメリットについて解説します。
子会社の設立に向けて知っておきたい基本情報
節税効果や経営の安定化を図るための手段に子会社の設立があります。子会社は、「完全子会社」「連結子会社」「非連結子会社」に分類されます。特徴や手続きの方法など、それぞれの違いを知っておくと、子会社の設立をスムーズに進められます。
ここでは、子会社とはどのような会社を指すのか、子会社を設立する際の運用ポイントについて詳しく解説します。子会社を設立する際にぜひお役立てください。
子会社は大きく分けて3種類の事業形態がある
「大手子会社」という言葉を耳にしたり、目にしたりする経験は一度や二度ではないでしょう。では「子会社」とはどのような会社なのかご存知でしょうか。
子会社とは、経営判断などの自社の意思決定権が他社(親会社)にある会社のことです。親会社が出資して子会社を設立するので親会社が株主になり、会社運営にあたって重要な事項はすべて親会社の意思によって決定されるわけです。
つまり、子会社の経営権は他社(親会社)にあり、被支配の状態にある会社です。

子会社には大きく分けて、「完全子会社」「連結子会社」「非連結子会社」の3種類があります。なお、いずれも親会社からの実質的な支配下にあります。
完全子会社
完全子会社とは、親会社が議決権のある株式を100%取得している会社のことです。親会社が子会社のすべての資本を出資しているので、経営面において完全支配下にあります。
連結子会社
連結子会社とは、50%以上の株式を親会社に掌握されて、親会社の連結財務表に連結して記載される会社のことです。親会社の決算時に連結子会社の業績を合算できます。
非連結子会社
非連結子会社は子会社であるものの、親会社の連結対象から外れている会社です。子会社はすべて親会社の連結の対象となりますが、対象外にする場合もあり、これを非連結子会社といいます。
また、グループ会社に属する事業形態は子会社以外にもあります。
合併会社
会社の合併には、「吸収合併」「新設合併」があり、吸収合併の場合は、いずれかの会社に吸収されるため吸収された側の会社は消滅し、1社に統合されます。一方、新設合併の場合は、すべての会社が1社に統合されて、新しい会社が設立されるという仕組みです。
つまり、どちらも合併後には1社になります。吸収合併、新設合併どちらも親会社とは別会社になるため、子会社には該当しません。合併のメリットは、各会社に存在する事業や部門を1社にまとめることで規模が大きくなり、その業界でシェアを広げることができる点です。
関連会社
連結子会社と関連会社の違いは、親会社が持つ株式の保有率にあります。連結子会社は他社(親会社)が50%以上の株式を保有しているのに対して、関連会社は他社が20%以上 の株式を保有している会社です。そのため、関連会社は子会社ではありませんが、グループ会社の一つという位置づけになります。
子会社の設立時に気をつけたいポイント
子会社の設立にあたって様々なメリットがありますが、設立時には下記の点に気をつけておかないと、後々トラブルになるおそれがありますので注意しましょう。
税務調査が厳しくなる
中小企業が子会社を設立をする場合、企業によっては不当な節税対策として税務署から認められない可能性があります。例えば、親会社が過度に利益調整を行い、意図的に子会社からの仕入れを増やすケースです。親会社や子会社に目立った利益が出た場合、その利益を相殺するために、不必要な仕入れ・売りつけを双方で過度に行うと、税務署より指摘を受けることになります。そうなると親会社や子会社だけでなく、関連会社などの出資関係まで厳しい税務調査が行われることになるのです。

また国内では子会社を設立するにあたって、意思決定までの費用は親会社が負担し、子会社の設立を意思決定した後は、設立や事業開始にかかる費用を子会社が負担すると考えられています。出資のタイミングによっては、親会社から子会社への寄付金とみなされ、損益不算入となることもあります。
労使トラブル
子会社の設立時には、従業員が親会社から子会社へ転籍することもあります。転籍をする場合、手続き上は親会社を退職して子会社に再就職をするという形です。そうなると勤続年数が途切れてしまい、定年時に受け取る退職金にも影響が出るためトラブルになることも少なくありません。
また、親会社から出向という形で子会社に移動する場合、手続き上親会社との契約は継続されているため、出向している従業員が子会社でトラブルを起こした場合でも、親会社の指示を仰がなければいけません。こうしたトラブルを避けるためには、口頭で済ませるのではなく、会社と従業員との間で契約書を交わしておくようにしましょう。
子会社を設立した際のメリット・デメリット
子会社を設立することによって様々なメリットが得られるため、多くの企業が取り入れています。ただし、メリットだけではありません。子会社を設立することが会社に不利益になってしまうケースもあります。そこで、子会社を設立する前にデメリットも知っておき、そうならないようにするための対策方法を事前に考えておく とよいでしょう。ここでは、子会社を設立する際のメリット・デメリットをご紹介します。
子会社設立のメリット
子会社の設立によって多くのメリットが得られます。
節税効果
子会社を設立することによって得られる大きなメリットは節税効果です。税金関係においては、資本金額に応じて法人税や地方法人税、消費税に軽減や免税措置を受けることができます。これは、子会社を設立したことで親会社の利益が分散され、親会社・子会社共に法人税の軽減税率を利用できるからです。また、子会社に転籍をした従業員の退職金を損益として計上できるなどの節税効果があります。

後継者問題の対策
会社の後継者が複数いる場合は跡継ぎ問題が起こったり、後継者の決定によってトラブルになったりするケースも少なくありません。こういった跡継ぎ争いが原因で社内トラブルに発展すれば、経営に支障をきたすおそれがあります。
親会社と子会社それぞれに経営者として就いてもらうことで、後継者トラブルを回避できます。