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「答えのない戦い」の中で見えた価値観とは?東京ガスの家庭用ソリューション部門のアドベンチャーレース研修

  • 執筆者の写真: Co-Studio 広報
    Co-Studio 広報
  • 5 時間前
  • 読了時間: 10分

不確実なビジネス環境下において、チームの結束を高め、主体的にアクションしていくには互いの価値観や行動特性を理解し合うことが欠かせません。では、こうした価値観や行動特性は、どのように可視化し、言語化していけばよいのでしょうか。


今回、そのヒントを探るべく「アドベンチャーレース研修」に参加したのは、東京ガス株式会社設備ソリューション開発部でチームリーダーを務める白井さんです。白井さんは住宅設備商材の修理・交換、ハウスクリーニングをはじめとする家庭用ソリューションの事業開発・成長を横断的に推進しています。


「人的資本経営」を掲げ、自ら考え行動し、多様な意見・個性を認め合いながら、挑戦し続けることができる集団へ成長することで、一人ひとりと会社の双方の成長を目指す同社において、オフィスを飛び出し、地図とコンパスだけを頼りに自然の中を駆け回るこの研修は、チームに何をもたらしたのでしょうか。白井さんに体験を通じて見えてきた価値観や行動特性とそこから得られた気付きや学びについてお話を伺いました。

 

1.アドベンチャーレース研修とは?


 

元々アドベンチャーレースは、山・川・海などの地球上のあらゆる大自然をフィールドに、1チーム3-4名が地図とコンパスだけを頼りにチェックポイントを通過しながらゴールを目指すアウトドアチーム競技です。 これを企業研修として活用したものが「アドベンチャーレース研修」です。スマホやGPSは使用禁止。

 

トレッキング、マウンテンバイク、カヤック/ラフティング、ロープワークなど幅広いアウトドア技術を駆使し、決められた道のないフィールドで戦略的にルートを自ら探して選び、仲間と共に前進していきます。そこには常に「失敗」と「挑戦」が隣り合わせに存在します。選んで進んだルートが深い藪や崖で阻まれて先に進めない、ルートを間違えて迷子になってしまう、天候が悪化して暴風雨の中で行動しなければいけない、メンバーの怪我や体調不良で停滞を余儀なくされるなど、トライ&エラーの連続です。

 

「あらかじめ決められたルート(正解)」が存在しない中、チームは常に「現在地の把握」「ルート選択」「リスク管理」といった意思決定を迫られます。 予測不能な状況下で、いかにチームで合意形成を行い、ゴールへ向かうか。

 

まさにチームビルディングをしながら、「答えのないビジネス環境」を擬似体験できる研修として注目されています。


参考動画はこちら

 

2. 参加の背景

Q. 最初に「アドベンチャーレース研修」と聞いた時、どのような印象を持ちましたか?


正解が存在しない予測不能な状況の中で動くからこそ、普段の研修や自己分析では見えにくい自分の行動特性が見えてくるのではないか、という期待を持ちました。


これまでも社内外の研修や「ストレングスファインダー」や「MBTI」のような分析ツールなどにより次の成長に向けたアクションを模索してきました。ただ、座学や診断だけでは捉え切れていない部分もあると感じており、実践の中で自分の内面と向き合いたいと思っていました。


また東京ガスは「人的資本経営」を掲げ、今年度から「マイプロフェッショナルジャーニー」という施策も始まっています。上長との対話も交えながら、知識・スキル、行動特性、価値観、実現したいことなどを棚卸し、社員一人ひとりが主体的に専門性を高めていくためのアクションプランにつなげる取り組みです。アドベンチャーレース研修は、ともに参加するメンバーに対して、特に行動特性や価値観を相互に見つめ直して具体化する機会を提供することにもつながるとも感じていました。

 

Q. 「アドベンチャーレース」と「事業(新規開発・事業成長)」や「組織力向上(人材育成)」との関連性はイメージできていましたか?

参加前の時点では、答えのない状況下で協力して挑んでいくという共通点は感じていました。ただ、アウトドア競技であるアドベンチャーレースとビジネスとの間に、それ以上の明確な関連性まではイメージできていませんでした。それでも、いつもと違う環境に身を置くことできっと事業開発・成長、そして人材育成のヒントが得られるだろうという感覚はありました。


3. レース中の体験(エピソード)


 


Q. レース中、印象に残っているチーム内の動きはありましたか?

とても印象に残っているのは、あるメンバーの動きです。

私は基本的に先頭を歩いていたのですが、あえてずっと最後尾を歩くメンバーがいました。レース中、最後尾から2番目、3番目のメンバーの疲労度やペースを観察しながら、「少しペースを落としてください」と全体に声をかけていました。さらに、他のメンバーがポイント獲得のためにゴミ拾い(※レース中のボーナスポイント)に動くときも、その穴を埋めるようにしっかりフォローしていました。


普段の会議室では、誰が「最後尾」を担っているかはなかなか分かりませんよね。こうした一歩引いた位置から全体を整えるこの特性は会議室では気づくことができなかった一面でした。立体的なフィールドで一緒に動くからこそ、メンバーの隠れた「特性」や、自発的に担おうとする「役割」が可視化されるのだと強く実感しました。

 

Q. 地図を見ても現在地が分からないような「不確実な状況」もありましたか?

ありましたね。地図上では橋があるはずなのに実際に行ってみると橋がない、という場面がありました。そのときは、メンバーの1人が近くにいた地元の方に声をかけて状況を確認してくれました。すると、橋は数年前になくなったことと迂回路があることがわかりました。まさに「地図(前提)すら疑え」を体感しました。


私のチームは、こうした不確実な状況でも意見が割れて紛糾することはありませんでした。数年一緒にやっている関係性故の「あうんの呼吸」がありましたし、また前提が崩れた時こそ、互いを尊重しながら都度話し合って進む方向を全員で決めてレースを進めることができたからだと思います。



当日使用した地図

 

 

4. 振り返り・気づき


 

Q. 感想として挙げられていた「価値観をメタ認知できた」とは、具体的にどのようなことですか?


今回、私のチームで最も難しかったのは「川を泳いで渡る」チェックポイントでした。

メンバーとも対話した結果、少なくとも私以外は泳ぐのは難しいとの判断になりました。私自身も水泳が特別得意なわけでもなく危険や失敗のリスクも頭をよぎりました。ただ、このチェックポイントを獲得しないと優勝が難しい状況でもあり、自分が行くと決めて川に飛び込みました。


レース後に自分の視点とメンバーからの視点の両方から振り返ってみると、このとき私はリスク(危険・失敗)とリターン(優勝の可能性)を整理した上で、「チームのために挑戦する」という価値観で意思決定をしていたことがわかりました。また、「本気で挑戦することに心からの喜びを感じる」という特性もはっきりと自己認識できました。つまり、価値観をメタ認知することで、自分の判断軸や特性を具体的な言葉にできた、という感覚です。

 

Q. 他の参加者から「保守的な社風が出たのでは?」という意見もあったようですが。

他社チーム(ベンチャー企業のチーム)は高得点が狙える一方で、高低差が大きく身体的負担が大きい「山エリア」を中心にルート選択していました。「何があるか分からないけど、面白そうだから」という会話で決めたとのことです。


それに対して私のチームは、自分たちの体力や移動スピードがそれほど高くないことも踏まえつつ、確実に点を稼げる合理的なルートを優先しました。結果として、比較的平坦な「川エリア」を中心としたルートとなりました。


レース後の振り返りでは、似たルート選択をした社内メンバーから「当社の保守的な社風が出たのでは」という意見も出ました。複数のチームの行動を比較することで、社風やチームの特性の気づきが得られたところもアドベンチャーレース研修の面白さの1つと感じました。

 

※振り返りのアンケート結果の一部を引用


・女性・Wさん

「東京ガスチームの選んだルートがあまりに同じ(安全策)であるのに対して、他社チームが選んだルートが全く違ったのは、社風が出ているのかなと思いました」


・男性・Aさん

「おそらく一人では回収できなかったポイントを集めることができたのはチームプレーであったからこそ。チームで取り組むことの重要性や価値を再認識できました」


・女性・Aさん 

「短い時間でも各メンバーの強みや性格がよく分かるレース内容でした。振り返りの時間を設けたことで、感じた強みや性格を言語化できたことも良かったです」

 

Q. このアドベンチャーレース研修はどのような人におすすめできますか?

私は「プロジェクト」に従事する方に特に適した研修だと感じました。ここでいうプロジェクトとは、特定のゴール達成に向けて、期限内にチームで協力しながら計画的に進める一連の活動のことです。プロジェクトは、情報不足や状況変化が発生しやすく、最初から正解が見えているケースは多くありません。


だからこそ、計画や役割分担そのもの以上に、「誰がどんな価値観で、どう判断し、どう動くか」が成果に大きく影響すると考えています。


アドベンチャーレース研修では、まさにそうした場面が連続します。限られた情報の中でルートを決め、リスクを見積もり、チームで合意して前に進む過程で、自分の行動特性や価値観が実際の行動として表れます。さらに、メンバー同士で実際の行動を相互に見つめ直して、自分の行動特性や価値観を具体的な言葉に落とし込むことができます。この具体化ができるからこそ、答えのない課題に向き合うプロジェクトメンバーに適した研修だと感じました。


5. 今後の展望

Q. 今回の体験を経て、ご自身に変化はありましたか?

チームのためにこそ本気で挑むことができるという気付きは、マイプロフェッショナルジャーニーで「お客さまや社会のためにチーム一丸で挑戦し、併せて一人ひとりの才能を解き放つ組織づくりを実現する」という表現で反映しました。実体験を通じて磨き上げたこの表現は自分にとってとても納得感があり、いつもここに立ち返って行動することができるようになりました。

 

Q. 事業という「答えのない戦い」において、どう活きそうですか?

事業開発や事業推進を成功させるには、戦略や計画だけでなく、チーム・組織づくりが欠かせないと改めて感じました。その中でも特に重要なのは、メンバーそれぞれの「違い」を尊重しながら進めることだと考えています。


アドベンチャーレースでは、誰もが同じように走れるわけではありませんし、全員が同じ役割を担うことができるとも限りません。だからこそ、チームで共通の目標を設定し、状況に合わせて役割を調整しながら、それぞれの得意なことややりたいことを活かして力を掛け合わせていく。その発想が、事業という「答えのない戦い」でもそのまま活きると感じました。自然の中で本気で取り組んだ経験をベースに、これからも「答えのない戦い」に挑戦していきます。

 

6. まとめ:1人ひとりの価値観は、「答えのない戦い」の中で浮き彫りになる

今回のインタビューを通じて見えてきたのは、アドベンチャーレース研修は単なるチームビルディングの枠を超え、参加者一人ひとりの価値観やOS(行動原理)が浮き彫りになる場であるということです。


白井さんが濁流へ飛び込む瞬間に突き動かされた「本気で挑む」という感覚や、振り返りの中で抽出された社風やチームの特性。これらは、日常の会議室での議論では得にくい、生々しくも貴重な気づきでした。


デジタルやAIが仕事を広く実行・支援してくれるようになりつつある今だからこそ、人には「答えのない戦い」の中で課題解決に向けた問いを立て、決断し、仲間とともに前に進む力が求められます。


非日常におけるレース体験は、会議室では見えないメンバーの潜在的な強みや価値観、組織に根付く風土や特性を可視化します。こうした可視化を通じて、困難な局面でも折れないチームの結束と、個人とチーム双方の自律的な行動力を伸ばしていくことができるはずです。


東京ガスの家庭用ソリューション部門のみなさんの今回の挑戦は、不確実な未来を切り拓くすべての方にとって、一つの道標となるでしょう。


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