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  • 執筆者の写真Rina Miura

【インタビュー】まだ見ぬお客様の笑顔を求めて。休眠特許の覚醒ノウハウで研究開発の活性化を。

1899年創業以来、目薬、スキンケアなどのヘルス&ビューティー事業を軸に、私たちの身体をつくる食、最先端のライフサイエンス研究に取り組むロート製薬株式会社。なかでも開発や人事、知財と多岐にわたって活躍される小山田氏をお招きし、大手製薬企業の抱える知財的課題や、そんな課題を解決すべくCo-Studioと取り組んだ休眠特許の覚醒プロジェクトなどについてお話し頂きました。



ロート製薬、小山田さんのご経歴

——まずはじめに、簡単な自己紹介をお願いいたします。

ロート製薬に勤めています、小山田と申します。 大学の時は高分子科学を中心とした基礎研究に励む日々でした。 高校生のころは親族が医療関係者だった影響で、健康と関わる仕事をしたいという思いがありましたが、幅広くサイエンスを学ぶことが将来的に医学にもつながるというアドバイスを受け、科学の道に進みました。 その後就職においては、在学中のインターン経験などから、自分が楽しいと思える環境が一番働きやすい環境だと気づき、「自分の目に見える形でものを作り、お客さんと繋がりたい」という想いの実現が出来る職に就きたいと考えていました。 その上で自分が化粧品を好きなことや、もともと肌へのコンプレックスがあったということから、基礎化粧品を作れる企業に行きたいと考え、ロート製薬に入社いたしました。

——ロート製薬ではどのようなお仕事をされてきましたか?

会社に入ったあとは基礎化粧品を作りたいという希望が通り、肌ラボや50の恵といったスキンケア商品の開発に携わっていました。



入社5年目頃には社内で複数の部門を兼務できるダブルジョブ制度が始まりました。 社内のグローバル化の機運も高まっており、研究職として多くの外国籍人材を迎えるプロジェクトがスタートしたのもこの頃でした。 スキンケア製品の開発に加えて海外の人とも一緒に仕事がしてみたいと感じていた私は、グローバル人材の採用や育成を担当するグループへの参加を志願し、人事に携わった経験もあります。 製品の開発をしていく中では、私1人の力では出来ることに限界があることにも気付かされましたし、反対に、自分の周りには優れた才能を持つ人達がたくさんいるということも知ることができました。 同時に、それだけ素晴らしい才能があるのに十分に発揮できる環境にないという人がいることにもったいなさを感じていたので、人事を通してそういった人々の成長につながるお手伝いができたことは貴重な経験だったと思っています。 また才能のある人たちを繋いだりスキルのある人たちを発掘することで、企業の成長に繋げていく、というスタンスはその後の働き方においても生かされていて、ものづくりにおけるチームワーキングの考え方は人事を経験したからこそ得られたものでした。 そして一度産休・育休をとったのち、復帰のタイミングで知財部への異動を希望し、そのまま現在に至る、という経歴になっています。

——小山田さんにとってロート製薬はどんな会社ですか?

社員一人一人を応援してくれる会社ですね。 私だけでなく他の社員も感じていることだと思いますが、「会社のために」働くという感覚ではなく、会社という組織が自分が実現したいことをサポートしてくれているように思います。 Co-Studioには「小山田さんはチャレンジングですね」と言っていただいたこともありますが、決して私が特別な働き方をしているのではなく、周りが皆常に新しい事へ取り組もうとする意欲がある環境なので自ずと私も・・と思えるのだと思います。 実は弊社内でも「現状維持」=「衰退」という考え方をよく耳にしており、そういった点でもCo-Studioとのシンパシーを感じていました。 一方で社員が様々なチャレンジする過程では多くの発明が生まれており、せっかくの資産である特許を活用しきれず維持費のみがかさんでいくという課題も生じていました。 何とかしなくては・・というタイミングでCo-Studioと繋がりができ、休眠特許の覚醒というプロジェクトをスタートできたのもご縁だったと思います。

SG Labへの印象

——Co-StudioやSG Labへの当初お持ちだった印象はどのようなものでしたか?

普通のコンサルとは異なる会社」と聞いていたので、漠然と懐疑的な気持ちは正直あったと思っています。 一般的にコンサルといえば、サジェスチョンはもらえるものの自分たちのやるべきことだけが増えていくようなイメージがあったので、この会社は何が違うのだろうと思っていました。 その中でCo-Studioは、プロジェクトが始まる前から膨大な量の弊社の特許群を読み込んできてくださったり、あらかじめ議論を練ったアイディアを持ってきてくださったりと、一緒に取り組んでくれる企業だなと思いました。仲間として動いてくださる印象が強かったように思っています。

——プロジェクトを進めていく中で、面白かったことなどがあれば教えて下さい。

まず初めに、資料にイラストが出てきたことはすごく驚きでした。 グラフィックレコーディング(以下グラレコ)というイラストで内容を可視化させるための手法ですが、グラレコを行うことでアイディアを現実に落とせているか、誰のためになぜ届けるのか、といったことを再認識できるツールであると初めて知りました。


はじめはイラストを描く機会のない自分たちにとってハードルの高いことのように感じていましたが、提供する商品が本当にお客様のためになっているのかを考察できる手法を学べたことはとても良かったと思っています。 特に弊社では製品づくりの際に「お客様の顔が見えているのか」という点をとても重視しています。上流にある基礎研究ではお客様の顔を真に意識することがなかなか難しかったところ、グラレコを使うと普段絵を描かないからこそ上辺の理屈だけではお客様の顔が浮かばないことが実感でき、弊社には最適な手法だということが分かりました。 また今回のプロジェクトは休眠特許の棚卸ということで、自社で活用しきれていない特許群を覚醒させたいという思いで取り組んでいました。 とはいえ私自身はずっと開発にいた身なので特許に関して専門性が優れていたわけではなく、その上で知的財産という観点で大西さん(Co-Studioコミュニティメンバー:ICT・DX領域の知財アナリスト)の持つノウハウを教えて頂けたことは非常に良かった点だと感じています。 弊社の知財歴が長いメンバーも今回の活動を通して多くの学びがあったと申しており、化粧品業界では触れることの少ない新規事業提案目線での花形や、特許における価値付けの捉え方を学べたことはとても有意義でした。 他にも、マインドマップを用いたアイディア出しの手法は他プロジェクトにも応用できると感じており、現在、社内でこのノウハウを共有するため、ワークショップの開催準備も進めております。 Co-Studioと行うブレストは自分たちだけでは出てこなかった発想ばかりが生まれてくるので、ユーモアに発散しながらもそのアイディアに繋がりが見えてくるのはすごいなと感じていました。


ロート製薬×SG Labのこれから

——最後にプロジェクトを通して今後SG Labに期待することや、ロート製薬の展望について教えてください。

SG Labからは、発明に対する価値の付け方やアイディアの拡散方法など、新規事業を作り上げていく上でのスキルを多く学ぶことができたと感じています。 これまでも「お客様に満足していただける開発」という観点を大切にしていましたが、グラレコを通して「お客様は私たちの商品を手にすることでどう表情が変化するのか」ということを具体的に落として考えられたことは貴重な体験でした。 また、自分たちの発明の価値の広げ方などその後に活かせるノウハウを教えていただけたこと、さらに私達に方向性を示すだけでなく一緒に手を動かしながら伴走してくださったところが印象的だったと思っています。 弊社としては、今回の休眠特許を覚醒させるために得た知見は当プロジェクトにとどまらず基礎研究や開発にも応用できると考えているので、ワークショップの開催を通して学びを社内に還元していくこともそうですし、プロジェクトを単発で終わらせずに次に繋げていきたいです。 はじめに「Co-Studioのどこがコンサルと違うのか懐疑的な気持ちもあった」とお伝えしましたが、新規サービスを作っていく上で企画やPoCを一緒に行うところや、街や地域を巻き込みながら検証していくところは特に特徴的だなと感じているので、新規サービスや飲食、健康経営といった分野でのご縁があった際には、また一緒に取り組みができたら嬉しく感じます。

取材を終えて

インタビューを通して感じた小山田氏の新しいことに前向きな姿勢はとても魅力的で、またそういった社員の方を後押ししていく社風も非常に素敵だと感じました。 今回のプロジェクトを通して、ヒトを中心に考える「デザイン思考」のような弊社の大事にしている考え方にご共感いただけたり、マインドマップや知財の花形といったノウハウについて高く評価していただけていることは非常に嬉しく思いますし、今後もまたプロジェクトなどでご一緒できたらと思います。

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